メガネを語る

「長崎夜話草」に登場するメガネを最初に作った日本人の正体とは

(C)日刊ゲンダイ

 宣教師のフランシスコ・ザビエルが日本にメガネを伝えて以降、南蛮や中国から多くのメガネが輸入されていました。ではいつ頃、誰が日本で製造するようになったのでしょうか?

 よく言われるのは朱印船の船頭だった浜田弥兵衛がその製法を生島藤七という人物に教えて作られるようになった、という説です。根拠は「長崎夜話草」です。この本は、江戸中期の天文学者の西川如見の話をその子、正休が書き取り編集したものです。1720年に完成し、当時の長崎での海外交渉の様子や庶民の生活、特産品などの話が書かれています。それによると、浜田弥兵衛は武芸達者で細工上手、弟と共に海外を回り、武勲を立てたとされています。

 この話を紹介した、西川如見は、「華夷通商考」「増補華夷通商考」を書いた人で、日本で初めて南北アメリカを紹介した人です。8代将軍の吉宗から天文学についてのご下問を受けたということですから、いい加減な話ではないように思われます。

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