なお、アンケートは「ビッグファイブ」と呼ばれる有名な性格特性モデルをもとに作成されており、具体的には、「神経症傾向」「外向性」「協調性」「経験・知性への開放性」「誠実さ」がわかるようになっていました。個人の性格は、これら5つの因子によって構成されているとされています。
さて、被験者たちにはどんな変化が表れたのか? 実験では血中アルコール濃度が0.09%になるように作られたウオッカのソーダ割りを飲んだといいます。0.09%というのは、ほろ酔い期(血中アルコール濃度0.05%以上)と酩酊初期(同0.11~0.15%)の中間くらいの酒量です。500ミリリットルの缶ビールを2本ほど飲んでいる状態と考えていいでしょう。ほろ酔い期で運転事故の可能性は2倍になるといわれていますから、0.09%はなかなかの酔い加減です。
被験者たちがこの状態になった上で、彼らの特定の行動や性格の特徴を観察するため、(「外向性」や「協調性」といったビッグファイブが浮き彫りになるような)アクティビティーを課しました。そして、その活動状況を見たウィノグラードらとシラフの被験者たちが点数をつけることで、酔った被験者たちが事前に自己申告したお酒による変化と、どのような差異が生じるかを検証したというわけです。
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