肥満はなぜ健康を害するのか? 正月太りが解消できない人は要注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 増えた脂肪細胞からはほかにも血栓を溶かす物質を阻害する「PAI-1」、インスリンの働きを低下させたり血管内皮細胞の働きを抑えたり、炎症を引き起こす「TNF-α」、血管を収縮させて血圧を上げるアンギオテンシンのもとになる「アンギオテンシノーゲン」といった生理活性物質が多く分泌される。これにより血管内皮が傷ついて血栓ができやすくなり、血圧も上昇して心臓疾患のリスクがアップする。

■心房細動につながるケースも

「このようなさまざまな生活習慣病と心臓・血管の病気のリスク上昇を招く内臓脂肪の蓄積は大きな問題ですが、さらに近年は心外膜下脂肪の蓄積も注目されています。心筋の外側に付着し、心筋と心外膜との間にある脂肪で、過度に蓄積すると炎症性サイトカインの産生量が増加し、動脈硬化を促進します。また、心房筋が線維化して心房細動の原因になることもわかってきました。心房細動は心臓が細かく不規則に収縮を繰り返す不整脈のひとつで、心臓内に血栓ができやすくなり、その血栓が脳の太い血管に移動することで脳梗塞を起こす危険が高くなります」

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