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フードテックに見た未来への希望 テクノロジーの祭典CESレポート

CES2023でサムスン電子のブースに並ぶ参加者(C)ロイター

 ヘルステックで注目されたものの1つが、韓国のバイオ医薬SKによる眼鏡ゼロ・グラス。スマホと連動し、体や心臓の動きを察知して、てんかんの発作を予測するというものです。またスキンケア・ブランドのニュートロジーナによる、個人の健康データに基づいて3Dプリンターで作れるグミ・サプリにも、関心が集まっていました。

 さらに熱い視線を浴びていたのはフードテックです。地球人口が2050年には100億人を超えると予測される中、懸念されるのが肉の供給不足、タンパク質危機です。代替タンパク質の中でも、数年後には世界で100兆円の巨大市場になると予測されているのが「培養肉」。動物の細胞を組織培養して作られる培養肉のスタートアップ・アップサイド社は、昨年11月にFDA米食品医薬品局から、世界初の販売許可を得たと報告。今回は商品化を目前にした、生産規模拡大への取り組みを発表しました。

 他にも気候変動に強い食物の種の開発など、決して派手ではないけれど私たちの未来を守る様々なイノベーションに、大きな希望を感じました。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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