亡くなった義母もアルツハイマーで、その症状に似通っていたことから、女性は医師が発した「アルツハイマー」という言葉を衝撃をもって受け止めました。「アルツハイマーかも」と言われたのに、その「かも」が抜け落ちてしまったのです。
父親が外出を嫌がり、かかりつけ医のところに連れて行くだけでも大変だったので、CTを受けられそうな大学病院へ連れて行くのはさらに困難そう。しかも、コロナの第6波が来ていた頃。「無理に病院へ連れて行って、父親がコロナに感染したら大変。アルツハイマーを完治させる薬はないのだから……」と、しばらく時間をおいて、コロナが落ち着いたら父親を説得し、大学病院を受診しようと考えました。
そんな女性に対し、「『治る認知症』の可能性もあるから、大きな病院で検査を受けた方がいい」と主張したのは、大学生の息子。インターネットで「認知症」「治る」のキーワードで検索し、「治る認知症」の情報を見つけたのです。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う