認知症を予防する補聴器のすべて

ほんの小さな音も脳を刺激して生活を豊かにしてくれる

鳥のさえずりなど自然の音は生活を豊かにしてくれる(C)iStock

 それが補聴器を購入後は、調整していくうちに音に慣れ、聞こえが改善されると、次第に日常生活の中で久しく忘れていた小さな音を聞く新鮮な体験をするようになったといいます。

 ほぼ購入して1カ月がたったあたりで、まずドアのノックの音が以前より小さな音でも聞こえるようになり、テレビの音量が以前より小さくなっていきました。やがて2カ月目に入ると、散歩中に今まで聞こえていなかった落ち葉を踏む音や杖の音が聞こえるようになったといいます。そして家族とのコミュニケーションが以前より取れるようになり、周囲の方がその変化が分かるほどに。

 補聴器を通しての音は最初こそ違和感を持ってしまいがちですが、「調整する」ことと「積極的に生活の中で補聴器を使う」ことで慣れていくもの。

 先日いらっしゃった時には「いろんな音を楽しんでください、一緒にがんばっていきましょう」とお伝えしたのでした。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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