先週は、五十肩がそのうち治ると思っていても改善しない、むしろ悪くなるという方がたくさんおられ、症状が悪くなってから医療機関を受診されるケースが多いことをお話ししました。実際にどのような話を診察の初めにされたか具体例をお伝えします。
患者Aさん「数カ月前から少し肩の痛みはありましたが、肩は動いてました。よく寝られていました。でもある時に背中に手を回す動作がしにくくなり、肩を下にして寝られなくなりました。痛みが強くなり来院しました」
患者Bさん「家の中で柱にぶつかっただけなんです。でも痛みが続いてひかないので来院しました」
患者Cさん「特に思い当たる節がないのですが肩の痛みが強くなりました。強いて言えばもともと肩こりがありましたが、今ほど痛みが強くなかったです。とにかく痛みが強くて眠れないのです」
患者Dさん「車の運転中に赤信号で停止しているときに、シートベルトを外さないで後部座席にある荷物を取ろうと手を伸ばしました。そのときに肩に激痛が走りました。それから痛みはひいてきたのですが痛みが取りきれませんでした。様子をみていたのですがどんどん痛くなってきたので診察を受けにきました」
このようなケースが、初診時では多くみられます。共通点は「日常生活のちょっとした動作で肩を動かしづらくなったり痛みがひどくなったりした」「痛みは最初はそれほど強くなかったけど、放置していたらだんだん強くなってきた」です。
誰だって、大した痛みじゃない間は受診しようとは思いませんよね。では、どういうタイミングで医療機関にかかればいいのでしょうか。私のおすすめは次に該当する場合です。
・とっさの動きや軽いと思っているケガの後でも肩に激痛が走り、それが取りきれないとき
・手を後ろに回すことがつらくなってきたと感じたとき
・肩こりが、肩の痛みに変わり、続いてきたと思ったとき
五十肩はそのうち治ると思い込まないことこそが予防です。ひどくなる前に病院へ行くことが肝心ですよ。
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