「なにをあくせく、明日をのみ、思いわずらう」 島崎藤村の詩が頭に浮かんだりします。
そんなことを言っても、便が出にくいのだ。仕方がないではないか。自分で自分を責めてみたり、慰めてみたり……。
■担当医のやさしい声に助けられた
結局、大腸の内視鏡検査を行うことになりました。前回の検査は外来でしたが、今回は検査前日の午前中から入院です。これはとてもありがたい。この検査は腸をきれいにするのに下剤をかけるので、急にもよおすと大変です。
前夜から下剤を飲みました。検査を前に、がんなど何もないことを願っていても、不安がよぎります。がんがあったら手術していただくしかないのだが……いつもの眠剤を飲んで眠ることにしました。
当日、朝早くから約1.8リットルの下剤を1時間以上かけて飲みます。ほとんど全部飲めたのに、まだ排便がないことが心配になってきたところで、便意をもよおしてきました。それから、ひっきりなしに何回もトイレに通います。だんだん固形がなくなり、水様の便になりました。よかった、これで腸を診てもらえる。
がんと向き合い生きていく