役に立つオモシロ医学論文

従業員の健康管理が企業の業績や株価の向上につながる? 日本企業1593社が対象

喫煙が健康に与える影響は大きい

 収集されたデータから、従業員の健康因子(生活習慣など)と、企業収益の関連性を予測する統計モデルを作成したところ、正確度99.7%、精度99.3%、再現性99.7%と、極めて高い予測性能が得られました。この統計モデルを用いて企業収益に影響を与える健康因子を調査したところ、収益の向上に最も大きな影響を与えていた要因は喫煙率の低さでした。論文著者らは「労働者の生産性を低下させる健康リスクを特定して対処することで、企業収益の向上に貢献できるかもしれない」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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