足を失わないためのフットケア 血流が低下する冬だからこそ気をつけたい

靴の中の蒸れは大敵

 実際、九州大学医学部が2018年に発表した福岡県糖尿病患者データベースを使った「日本人2型糖尿病患者における糖尿病足潰瘍の実態」によると4870人の2型糖尿病患者(平均年齢65歳)を5.3年追跡調査したところ、74人が糖尿病性足潰瘍を発症し、12人が四肢切断となったという。

 また、この研究では糖尿病性足潰瘍と四肢切断の発生率は年間それぞれ0.3%と0.05%で、5年生存率は糖尿病性足潰瘍があるか、その既往歴がある人は87.7%で、ない人の95.3%に比べて有意に低かった。

「糖尿病の人の中には視力障害が出ている人もいて、足の異変に気づいていないことが少なくありません。患者さんの中には足先に壊疽が始まっていたり、足が細菌感染してパンパンに腫れてようやく受診する人もいます。深刻なのは中高年の独身男性です。生活が乱れていて血糖コントロールがうまくいかず、足に潰瘍ができ、壊疽が始まっていても家族がいないから指摘してもらえない。水虫、爪白癬などを患っている人は注意してほしいのに危機感が足りません」

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