Dr.中川 がんサバイバーの知恵

日本エレキテル連合・中野聡子の投稿で注目 子宮がん「体部」と「頸部」とでは組織も治療も違う

日本エレキテル連合の中野聡子さん(C)日刊ゲンダイ

 早期の場合の治療は、子宮体がんは世界的に手術が中心ですが、子宮頚がんは放射線が有効で、放射線なら子宮を温存できます。欧米で子宮頚がんの治療は、放射線が7割です。手術偏重の日本でも、最近は放射線が手術に迫っています。

 どちらも進行がんになると、抗がん剤を使用。その種類も頚がんと体がんでは違いますから、誤診はあってはなりません。

 誤診を避けるには、病理検査が重要です。2つのがんの組織分類では、子宮体がんは腺がん、子宮頚がんは扁平上皮がんが基本。ところが、子宮頚がんの2割は、腺がんのため、体がんとの区別が問題になります。病理検査が決め手だったということです。外科医の中には、画像検査だけで「○○がんです」と手術を迫る人もいるようです。そんな独断をうのみにしてはいけません。病理検査の重要性を頭に入れておいてください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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