がんと向き合い生きていく

がん遺族会から届いた冊子を読んでいたら心が温かくなった

写真はイメージ

「青空の会のつどい」という冊子が届きました。がんで家族などを亡くした方々が集うがん遺族会が発行する冊子で、今回が116回目になります。

 2011年1月、この会から講演を依頼された私は、「緩和ケアの今、そして未来」という演題でお話しさせていただいたと記憶しています。

 その前年の秋から、私は胸痛などの症状があり、急きょ12月30日に某病院で心臓の冠動脈バイパス手術を受けましたが、翌年1月7日に無事退院することが出来ました。おかげさまでこの講演には間に合ったのです。しかし、長時間の講演はとてもきついと感じたことから、講演後の討論はもうひとりの演者にお願いして失礼しました。

 この年は、3月3日に日本胃癌学会が青森県三沢市で開催され、司会など予定の仕事は無事に終えて帰れたのですが、その約1週間後の3月11日、東日本大震災が起こったのでした。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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