医者も知らない医学の新常識

腰の痛みはAIで改善できる? 米国医師会内科専門誌で研究報告

腰痛はAIで改善!?(写真はイメージ)

「AI」という言葉を頻繁に聞くようになりました。

 将棋も名人よりAIが強いことは、正面切ってそうは言わなくても常識のようになりましたし、人間のやっている多くの仕事がAIに取って代わられるようになりました。

 医療も例外ではありません。医療従事者がしていた多くの仕事を、AIが代わりにするための研究が進められています。すでに人間では見落としの多い画像診断などでは、部分的にAIの導入が始まっています。

 昨年の米国医師会の内科専門誌に、腰の痛みの治療をAIで行うという臨床研究が発表されています。慢性の腰の痛みの多くは原因不明で、痛み止めや湿布以外にあまり有効な治療がありません。最近注目されているのは、認知行動療法という心理療法の一種で、専門のセラピストが指導することにより、痛みが軽減することが分かっています。

 しかし、この治療は非常に時間がかかり、多くの患者さんに行うことは現実的ではありません。そこでAIを活用した認知行動療法のプログラムを作り、それを腰痛の患者さんに使用してもらうことを試みたのです。もちろんセラピストの補助の下に行うのですが、その治療の効果は、それまでのAIを使用しない治療と同等で、セラピストの時間的な負担は半分になることが確認されました。

 専門的な治療もAIで、という時代がもうそこまで来ているのかもしれません。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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