幸福ホルモン「オキシトシン」とは? ストレス、肥満、発達障害にも効果ありと注目

幸福ホルモン「オキシトシン」を増やしてストレス社会を乗り切る(C)日刊ゲンダイ

■内臓脂肪を15~20%減少

 コロナ禍で太った人も多いだろう。オキシトシンは肥満対策にも効果が期待できる。

 福島県立医科大学は動物実験で抗肥満効果の有効性を証明。

「発表によると、太っているほど抗肥満効果が高く、メタボの最大の増悪因子である内臓脂肪を15~20%減少させるとのこと。オキシトシンの抗肥満効果の研究は動物実験で複数出ており、人間を対象にしたものも、数は少ないもののあります」 また、名古屋大学医学部・大学院医学系研究科らは、オキシトシンが脂肪を燃やすための脳の神経回路を発見している。

 オキシトシンは、対人関係が苦手・こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害、自閉症スペクトラム障害の治療薬としても有望視されている。

「自閉症スペクトラム障害の人は、脳内でオキシトシンを作る遺伝子に欠損があることがわかっています。オキシトシンを人工的に作り鼻から噴霧すると、鼻の粘膜を通って脳内に入り、コミュニケーションに関係している部分に作用して、コミュニケーション障害が改善する。将来的には自閉症の治療薬になるのではないかと期待されているのです」

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