痛みスッキリ からだ楽チン

サイレントマニュピレーションで腕を上げられるようになった

写真はイメージ

「この処置は麻酔が効いていないとできませんから、大丈夫ですよ」

「なんか変な感じ。自分の肩が動いてる感覚がない。あれ、変な音がしましたよ。どこが『サイレント』なのですか?」

「音は関節包という関節の袋が破れた音ですね。従来の手法より、この音が小さいためサイレン(静かな)と名付けられたんです。もう終わりました。どうですか?」

 こんなやりとりの後、施術するまでは腕がほとんど上がらなかったのですが、「頭に手をやる」「背中に手を回す」ができるようになりました。

「先生が(腕を)持ってくれていますが、反対の肩に手が触れているのがわかります。背中にも!変な気分……」

 1週間後、来院した患者さんが言いました。

「今までできなかった洗髪や、高いところに手を伸ばすことができるようになった。もっと早く受けとけばよかった。リハビリに取り組む意欲が湧いてきました!」

 改めて、サイレントマニピュレーションという治療法があることを、多くの人に知ってもらいたいと思いました。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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