第一人者が教える 認知症のすべて

オンラインで認知症の予防情報を発信 既存の対策とどう違う?

オンライン健脳カフェなら好きな時に好きな場所で予防のための活動ができる

 WHOが発表する12項目の認知症予防をもとにしたプログラムを実践する場として、東京・四谷に「健脳カフェ」を開設したのは2021年。運動、栄養、社会交流、ゲームなどを行うとともに、生活改善のアドバイスや認知症に関する相談など、幅広い予防活動を行っています。

 これを四谷の場所だけで終わらせず、ネットでつないで全国に予防活動を広げたい。本屋でもデパートでも、店舗を設けお客さんに出向いてもらい販売する時代は終わり、今やネットで多様性のあるサービスを行う時代ですからね。認知症の予防活動だって同じなわけです。

 そこで22年11月に、健脳カフェのオンライン版を開設。認知症にならない・進ませないための情報やプログラムを配信しています。

 実は、認知症予防や早期発見を掲げ、さまざまな取り組みを行っている自治体は、すでにいくつかあります。国立長寿医療研究センターの「自治体における認知症の『予防』に資する取組事例集」では、そんな自治体を紹介しています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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