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ワシントンDCの大学キャンパスに緊急避妊薬の自動販売機がお目見え

自動販売機ならいつでも手軽に買える(写真はイメージ)/(C)iStock.jpg

 ワシントンDCのジョージ・ワシントン大学に緊急避妊薬の自動販売機が登場し、ニュースになっています。

 販売がスタートしたのは「プランB」という商品名で売られている緊急避妊薬。一般にモーニング・アフターピルと呼ばれる薬のひとつで、セックスで避妊に失敗してから72時間以内に服用、ホルモンの働きで一時的に排卵を遅らせ、妊娠を防ぐ効果があります。

 アメリカではこうした緊急避妊薬は、薬局で処方箋や身分証明書なしで買うことができ、ネットでの購入も可能です。ではなぜそれがあえて今回、大学のキャンパスで売られることになったのか? 販売を後押ししたのは学生自治会だったと伝えられています。

 アメリカでは昨年6月、最高裁が「人工妊娠中絶の権利は憲法で保証されない」という判断を下し、全米50州のうち14州で、中絶は事実上全面禁止となりました。大学のあるワシントンDCでは合法であるものの、全米から学生が集まる有名校だけに、生徒たちのショックと動揺は大きく、せめて緊急避難薬だけでも手軽に手に入るようにしてほしいという要望があったのだそうです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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