がんと向き合い生きていく

今度は自分で旅行に…肺がんで脳転移もわかった祖父からのメール

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 友人から紹介された大学生のB君から、こんなお話を聞きました。

 ◇  ◇  ◇ 

 私の祖父(73歳)は元気で、長く自宅にひとりで暮らしていました。毎朝、ラジオ体操を欠かさず、図書館に通い、近くに住む娘にあたる私の母と、孫の私とはよく連絡をとっています。

 一昨年4月、市の健康管理センターの健診を受けたところ、「要精密検査・肺」との報告が届きました。その知らせの手紙を持って5月にA病院を受診し、その10日後には気管支鏡検査のために入院しました。

 無事に検査は済み、自宅で組織検査の結果を待っていたところ、その頃から左腰の痛みが出てきて、歩く時は痛みをこらえている感じでした。結局、診断で「小細胞肺がん 腰椎転移」と分かり、入院治療となりました。

 点滴で抗がん剤治療を5回行い、腰部への放射線治療が行われました。その結果、腰の痛みは消え、8月初めに退院します。その時に、担当医から次のように言われました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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