東洋医学を正しく知って不調改善

東洋医学では「生理痛」にどう対処する? 2つのタイプがある

生理痛を悪化させる因子を意識して避けることも大切(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 東洋医学では「痛み」を大きく2つに分類しています。それは、気・血・水のめぐりが滞って生じる「不通則痛」と、気・血・水が不足するために生じる「不栄則痛」の2つです。

 医学的に「月経痛」と呼ばれる生理痛は、生理の前から生理中にかけて見られる下腹部痛や腰痛を指します。

 生理前から痛みが見られ、胸やお腹が張り、レバー状出血が見られる場合は「不通則痛」に属する痛みであり、このタイプに効果のある漢方薬は「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「折衝飲」となります。

 また対処するツボとしては足首あたりの「三陰交」や、下肢の脛骨内側の「地機」があります。

 一方、普段から血色が悪く疲れやすさなどが見られ、生理が始まってから痛みが出現し、生理の出血自体は少ない場合は、主に血の不足が原因と考えられる「不栄則痛」。漢方薬としては「当帰芍薬散」「帰脾湯」。ツボとしてはへその真ん中の下にある「関元」と、膝上の内側にある「血海」などが挙げられます。

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王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

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