米国では肥満や太り過ぎの成人が人口の7割を占めているといわれており、生活習慣病のリスクを低下させるためにも、効果的なダイエット方法に注目が集まっています。これまでに報告された研究データによれば、1日のうち16時間ほど食事をしない時間を設けるなど、食事のタイミングをコントロールする方法の有用性が示されていました。
一方で、食事のタイミングをコントロールしても体重を減らす効果は小さいとした研究データも報告されており、一貫した結論は得られていませんでした。そのような中、ダイエットに効果的な食習慣を検討した研究論文が、米国心臓協会が発行している学術専門誌に2023年2月7日付で掲載されました。
この研究では、米国の医療機関データベースに登録されていた547人(平均51.1歳 体格指数[BMI]30.8)が解析対象となりました。研究参加者の食習慣に関する情報は、スマートフォンアプリを使って記録され、体重変化との関連性が検討されています。
約6年にわたる追跡調査の結果、1日当たりの食事の摂取回数は体重の増加と関連していることが示され、1食増加するごとに体重は年間平均で0.28キロ増加していました。当然ながら1食当たりの食事摂取量が多いほど、1食増加当たりの体重増加量も多いという結果でした。
一方で、少量の食事(500キロカロリー未満)の摂取回数では、1食増加当たり年間平均で0.37キロの体重減少と関連していました。また、食事のタイミングと体重の増減に明確な関連性を認めませんでした。
論文著者らは「ダイエットに関するアドバイスを行う場合、食事のタイミングをコントロールすることよりも、食事の頻度と量をコントロールすることの方が有益である」と結論しています。
役に立つオモシロ医学論文