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脱臼の手術は主に2つ。若くて活動性の高い人にオススメなのは「烏口突起移行術」

写真はイメージ

 肩関節を初回脱臼した後、活動性が高い活動をする場合には50%以上もの確率で再脱臼を起こします。そして手術が保存療法より2回目以降の脱臼を起こさない確率が高いことは、複数の研究で証明されています。

 日本で行われている手術は、大きくわけて2つあります。

【1】内視鏡による「バンカート修復術」。脱臼で緩んだ靱帯を修復します。

【2】「烏口突起移行術」。烏口突起という骨を肩甲骨に固定する手術になります。

 2つにわかれるということは、それぞれに長所、短所があるからで、その内容をお伝えします。

 バンカート修復術の長所は、損傷したところだけ修復すること。短所は烏口突起移行術より再脱臼率が高いことです。

 一方、烏口突起移行術は再脱臼率が低いのですが、治療で用いるインプラントがもともと体内にあるものでないため、抜けたり、緩んで外れることがあり、時に痛みを引き起こすケースもあります。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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