死亡リスク3.5倍の「心房細動」に要注意…患者の4割が無症状

自分で脈を測って記録しておくことも大事

 その上、心房細動による脳梗塞(心原性脳塞栓症)は命に関わる重篤なものになりやすい。心臓内でできた血栓が脳に飛んでいき脳梗塞を起こすわけだが、血栓のサイズが大きいため脳の太い血管に詰まり、広範囲で脳細胞が壊死してしまうからだ。

「命は助かっても、麻痺や寝たきりなど重い後遺症が残る可能性が高い」

 心房細動が関連するのは脳梗塞だけではない。心房細動患者の20~30%は心不全を合併。心不全は、心臓のポンプ機能が悪くなり、やがて治療法がなくなって死に至る病気だ。心房細動があると認知症の発症リスクが上昇し、その率1.4~1.6倍。

 だから心房細動は早期に発見し、治療を開始する必要がある。しかし、これがまた厄介。心房細動の主な症状は、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、めまいなどだが、患者の約4割は無症状だからだ。無症状でも脳梗塞のなりやすさは、症状がある場合と変わらない。

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