その理由として研究者は、米の摂取量が多いほどほかの食品の摂取量が減ってしまい、栄養バランスが崩れてしまうからではないか、と推察しています。実際この研究では、米を単品で見た場合、米の摂取量と認知症発症との間に明らかな関連は認められなかった、との結果が出ています。
国立長寿医療研究センターの研究も紹介しましょう。1997年に開始された「NILS-LSA」という研究で、食事と認知機能の関連を横断的に検討しています。
認知機能が保持される食事はいくつかあったのですが(表参照)、食品の中で認知機能との関連が特に強かったものが、穀類。穀類摂取量が多いほど認知機能が下がる可能性が示されたのです。
この研究では米類の摂取量は認知機能と関連していませんでしたが、うどんやそうめんなど小麦ベースの穀物摂取量が多い人ほど認知機能低下のリスクが高くなっていました。
第一人者が教える 認知症のすべて