健康長寿のカギは腎臓にあり

慢性腎臓病(CKD)は薬では治らない 運動と食事で機能維持に努める

運動を習慣化する(C)iStock

 この連載で何度もお伝えしてきた通り、血液検査のGFRの数値が59以下になるか、もしくはタンパク尿が出るという状態が3カ月以上続くと「慢性腎臓病です」と診断されることに。慢性腎臓病にはステージがあり、診断後は進行を食い止めるように、ステージが進まないように、日常生活の中でいくつか意識を変えていく必要があります。

 意識を変えるべき、そのひとつは運動です。まず歩行を習慣化して体力をつけ、1日8000歩を目指すとしましょう。

 もうひとつは食事ですね。腎臓病の食事療法の3本柱ともいえるのが、「塩分」「野菜・果物」「タンパク質」。これらの調整を行うことで、腎臓病における健康を維持することができます。

 ただし、制限すればするほど良いわけではありません。一人一人の腎臓の状態によって、どの程度調整するかが異なってきます。また、我慢の連続では絶対に続きません。おいしく食事を食べることも大切だと思います。

 たとえば、塩分を控える場合は塩の代わりにダシを利かせたり、香辛料を多用したり……。慢性腎臓病の患者さんから一番質問が多い「食事」について、また次週も引き続きお話ししたいと思います。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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