役に立つオモシロ医学論文

マスクに感染予防効果はない? 世界的機関「コクラン」が論文公開

岸田首相もマスクを外す?(C)JMPA

 解析の結果、ウイルス感染症の症状は、マスクを着用していた場合で1000人あたり152人、マスクを着用していない場合で1000人あたり160人と、マスクを着用していた場合で5%の低下傾向を認めましたが、統計学的に有意な差は示されませんでした。

 ただし、解析に含まれた研究の中でも最大規模のデータは、マスクの直接的な感染予防効果を検証した研究ではなく、マスクの着用を推奨する教育的な取り組みの効果を検証した研究でした。たしかに、個人に対するマスクの有効性は必ずしも高いものではないように思います。しかし、この解析結果は、集団における感染拡大の抑止に対するマスクの効果を否定するものではありません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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