それらに加え、今回の研究で心房細動との関連が明らかになりました。心房細動は心臓が規則正しい心房の収縮ができなくなる不整脈のひとつで、それだけで命に関わることはありませんが、心不全を合併したり、心臓内に血栓ができやすくなって心原性の脳梗塞を起こすリスクがアップします。
論文の筆頭著者は、「尿酸が心血管代謝を介する機序によって心房細動のリスクと関連するだけでなく、ほかのメカニズムを介して心房細動の発症に直接影響を与え得ることを意味する。メカニズムの特定にはさらなる研究が必要だが、炎症が関与している可能性がある」と述べています。
実際、高齢者における心房細動は、加齢に伴う心房筋細胞の劣化で生じた慢性炎症によって起こっているという考え方があります。そのうえで、尿酸値が人体に望ましい値を超えると、炎症のコントロールが不十分になって心房細動につながる可能性が指摘されているのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」