母子の命を守るために男性も知っておきたい「妊娠高血圧症候群」

妊婦本人以外の喫煙にもリスクが…

■年間5万~10万人が発症

 妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上の高血圧、またはこの高血圧にタンパク尿(1日300ミリグラム以上)を伴う症状を指す。妊娠34週未満で発症する早発型と、34週以降で発症する遅発型があり、早発型のほうが重症化しやすい傾向にあるため早期発見が重要だ。日本では年間5万~10万人が発症し、高齢出産が増えたことから患者数は近年増加しているという。

「15歳未満の若年妊娠、35歳以上の高齢妊娠、肥満体形、初産の人が発症しやすい傾向があります。また、糖尿病や妊娠糖尿病、腎疾患をすでに発症している人にも多く見られます。とりわけ、家族に妊娠高血圧症候群の人がいると発症する確率は高くなるため、注意が必要です」

 妊娠高血圧症候群は、脳や肺、腎臓など全身のあらゆる合併症を引き起こし、母体を通して胎児にも影響をもたらす。最悪の場合には母体死亡だけでなく、死産、新生児死亡の原因になるという。

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