名医が答える病気と体の悩み

認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは

認知症の症状には「人格変化」も…

 認知症の患者さんの症状として、物忘れや判断力の衰えのほかに「人格変化」があります。もともと穏やかな性格の人が急に暴言を吐いたり暴力を振るうようになったり、活動的だった人がひきこもりがちになるのが特徴です。家族からよく「人が変わっちゃった」と言われるのもこの症状です。

 人格変化は、感情をコントロールする前頭葉や、記憶と感情を生み出す側頭葉に障害が生じることで起こるといわれています。理性のコントロールが利かなくなり、普段抑え込んでいた感情を爆発させてしまうのです。認知症のタイプの中でも「前頭側頭型認知症」の人に最も多くみられます。

 また、認知症になると認知機能も低下するため、周囲とのコミュニケーションが難しくなります。その結果、患者さんは孤独感や不安を感じやすくなって性格も徐々に変化してしまい、きつい言葉や態度で家族に接するようになるのです。

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