Dr.中川 がんサバイバーの知恵

古村比呂さんがつらさを吐露 女性のがんは夫のサポート次第で夫婦関係に明暗

古村比呂さん(2011年撮影)/(C)日刊ゲンダイ

 読者の中にも、妻ががんになってつらい思いをされた人がいるかもしれません。子宮頚がんの再々再発で闘病中の女優の古村比呂さん(57)は子宮の日(4月9日)に合わせてブログを更新。子宮を全摘したときの気持ちを吐露しています。

「子宮がなくなった自分はどうなってしまうのか。『女性は子宮で考える生き物だ』などと言う人もいます。だったら私は女ではないだろうか?」

 女性の尊厳について悩まれたことがうかがえるでしょう。女性が子宮や乳房を失うとき、どこまで女性性の喪失を感じるかは個人差が大きく、女性性よりがんがあることの嫌悪感から積極的に全摘を希望する女性も珍しくありません。

 しかし、それらを温存するかどうかはともかく、女性が悩むのは事実で、そのときの男性の対応次第で治療後の夫婦関係が左右されかねません。では、どうフォローするか。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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