繰り返す気管支炎、肺炎、中耳炎…「原発性免疫不全症」かもしれない

診断に至っていないケースも

 東京都では4月1日から「拡大新生児スクリーニング検査」が開始された。日本では公費で20の病気に対して「新生児スクリーニング検査」が行われているが、対象外の7つの病気に対して、有料でスクリーニング検査が行われる。そのうちの1つが、原発性免疫不全症(PID)だ。

 免疫機能に異常があるのが「PID」だ。詳しくは後述するが、PIDを疑うキーワードとして、「繰り返す気管支炎、肺炎、中耳炎」が挙げられる。

 多くは先天性なので、新生児のスクリーニングで発見することが望ましい。しかし東京都では始まったばかりであり、スクリーニングの対象としていない自治体もある。

「認知度が低く、診断が難しい。診断がつかないまま現在に至る成人患者さんも少なくない」

 こう指摘するのは、患者会「NPO法人PIDつばさの会」代表医療顧問で、東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座の金兼弘和教授。調査では成人患者が3割となっているが、「実際は5割くらいいるのでは」と話す。

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