健診では白血球の数値も測ります。血液1μl(マイクロリットル)中の白血球の数で、基準範囲は病院や健診会社によって多少の違いはありますが、だいたい3000~9000となっています。
ときどき基準値を超えることがあります。健診前の1~2週間以内に、風邪などの感染症にかかっていたのかもしれません。白血球は細菌やウイルスから体を守る役割を担っていますから、病原体の侵入があれば一時的に増加します。しかし感染が収まれば、元に戻るのであまり心配はいりません。
喫煙で増えることもあるといいます。とくにヘビースモーカーは、慢性的に肺が炎症状態にあり、白血球数が高くなるのです。しかしこれも、たばこを控えれば下がってきます。
たまに面倒な病気が潜んでいることがあります。代表は「慢性骨髄性白血病」です。とくに白血球だけでなく、赤血球や血小板も基準値を超えていたら要注意です。白血球は骨髄の造血幹細胞からつくられますが、その染色体にある種の異常が起きると、白血球が慢性的に1万を超えて増えてくるのです。赤血球や血小板も造血幹細胞からつくられるので、同時に増えてきます。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。