東洋医学を正しく知って不調改善

自律神経を整えるツボは? 「盤龍刺」でバランスを正す

自立神経が乱れると様々な不調が生じる(C)日刊ゲンダイ

 自律神経とは、体温や呼吸の維持、発汗、食物の消化吸収、排泄、体温調節など、生体を維持するために必要な基本的な生命活動に関与する神経系の総称のこと。自律神経には、心と体を興奮状態にする「交感神経」、心と体を休息・リラックスさせる「副交感神経」、内臓の感覚を脳や脊髄に伝達する「内臓求心性神経」があります。

 自律神経系が乱れると、胃がキリキリ痛くなったり、睡眠不足が続いたりといったさまざまな体の不調が生じます。

「五月病」という言葉がある通り、4月の生活環境の変化から少し落ち着いたタイミングである5月は、精神的なストレスが蓄積し、知らず知らずのうちに自律神経を乱し、体の不調が出てきやすくなる季節です。鍼灸は、自律神経の乱れを整えられる方法の一つになります。

 よく知られているもので、「盤龍刺(ばんりゅうし)」という刺法があります。頚椎から腰までの背骨の左右にあるツボが対象で、骨盤から背中にかけて、まるでドラゴンが昇るかのような刺激があることから、この名前がつきました。

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遠藤久美子

遠藤久美子

日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員。はり師、きゅう師。AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン。CIBTAC認定スキントリートメント。

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