医者も知らない医学の新常識

骨粗しょう症の薬で糖尿病が予防できる? 医学誌BMJで報告

骨粗しょう症の治療薬が…

 新薬の開発には莫大なお金と時間がかかります。特に最近の新薬は、遺伝子工学の高度な技術を駆使してつくられていますし、その発売前の臨床試験も大規模なものを行わないと、世界で売れるような薬をつくることはできません。したがって、良い薬が開発されても、その価格は非常に高価なものになるのです。人口の高齢化に伴って、医療費は通常の治療だけでも増加しますから、新薬を使い続ければ、医療自体の維持が困難となることも当然考えられます。それでは、どうすればよいのでしょうか?

 最近、注目されているのが、今までにある薬を、元の適応となっている病気とは、別の病気の治療に役立てるという考え方です。以前にも関節リウマチの薬が脱毛症の治療に有効、というような事例を紹介しました。今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという一流の医学誌に、骨粗しょう症の治療薬が、糖尿病の予防にも効果がある、という研究結果が報告されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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