医療従事者のMさん(43歳・男性)は、ある病院で悪性リンパ腫の診断を受けました。奥さんは35歳、結婚してまだ3カ月でした。
Mさんは全身化学療法を行う前に奥さんと一緒に産科のある病院に行き、受精卵の凍結保存をすることにしました。強い化学療法を行った後では精子が減り、子供が出来なくなるかもしれないからです。Mさんは、「妻は大変だろう」と思いましたが、本人はむしろ積極的に同意してくれました。
その後、Mさんの悪性リンパ腫の治療は順調に進み、表在リンパ節は一時的に消えました。Mさんが寛解して元気な時に、奥さんは凍結した受精卵で妊娠し、そしてかわいい男の子が生まれました。
ところが3年後、Mさんのリンパ腫は再発し、今度は骨髄にもリンパ腫の細胞が浸潤し、大変厳しい状況となりました。
再発した3回目の入院の時、Mさんは担当医に生まれた子供の写真を見せて言いました。
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