老親・家族 在宅での看取り方

90歳のがん患者「長生きの家系なので治療しなくてもいいだろうって」

写真はイメージ

「骨折は良くなったけど帯状疱疹になったんですね」(私)

「そうです」(妻)

「わかりました。骨折の方は治ってきたと思うんですけど、帯状疱疹や血栓の方でも困りごとがあれば、私たちでお薬を出せますので」(私)

 患者さんもご家族も、初めての在宅医療に戸惑うのは当然。可能なサポートの内容をまずはご説明することからスタートしました。

「お酒、たばこはどうですか?」(私)

「酒は若い頃は飲んでいたけど飲まないんです」(患者)

「今だって飲んでるでしょ」(妻)

「あんなのお酒の部類にならないよ。おちょこ1杯くらいだもん」(患者)

「大酒飲みではなかったんですね、おたばこは?」(私)

「吸ったことないです」(患者)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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