血糖値が急上昇した糖尿病予備軍が急いで受診すべき理由…怖いのは高インスリン血症

「節制すれば元に戻るはず」は間違い。すぐ受診を(C)PIXTA

 それでも、多くの人は、「やせたら血糖値も戻せるはず」と思い込み、我流で運動したり、食事を制限して血糖を下げようとしてしまう。

「むろん、どんなに血糖値が悪い人でも、インスリンが出なくならない限りは節制により、ある程度血糖値を戻すことも可能です。しかし、それには時間がかかります。怖いのはその間に高インスリン血症になることです」 

 食事で血糖が高くなると膵臓はインスリンを分泌して血糖を下げようとする。しかし、血糖コントロールの悪い人はインスリンを分泌してもその効き目が悪く、血糖値が上がっていく。それでさらにインスリンが上昇するという悪循環が起こる。これが高インスリン血症だ。

「この状態が続くと膵臓が疲弊し、インスリンが作れなくなり、1型糖尿病と同じく食事のたびにインスリン注射をすることになります。そこまでいかなくても血液中にインスリンが過剰に存在するようになると、交感神経が刺激されて高血圧になりやすいうえ、腎臓でのナトリウム排泄機能が損なわれるため、血液に水分が多くとどまるようになり高血圧に拍車がかかります」

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