ただし患者さんの場合は70歳以上の高齢者であることと、所得区分が規定よりも低かったことから、結果として「高齢受給者証」を窓口に提示するだけで自己負担は限度額までで済むことも確認でき、旦那さんにも納得していただきました。
数日後、初日に行った採血検査の結果を受けて再び伺うと、幸いにも容体は安定しているご様子。
「採血結果です。思ったより臓器にダメージはなかったです。よくはないけど最悪のパターンではないです。なので、もうちょっと血圧の薬は増やすことができます。ただ、今後どのくらい介入していくかですよね。費用を考えて月1回などに絞って、今後状態が悪化するリスクはありますけどご承知いただいて」(私)
「それでお願いします」(夫)
患者さんの抱える経済的事情に即したベターな療養を選択することもまた、地域のセーフティーネットである在宅医療に求められる重要な役割なのです。
老親・家族 在宅での看取り方