「認知症の母親が、通販でいろいろ注文をして困ります」と言うのは、40代後半のある男性。
お母さん(70代)は静岡県に1人で住んでおり、男性は東京都在住。認知症が発覚したきっかけは数カ月前。お母さんが「近所の人に財布を盗まれた」と大騒ぎし、警察を呼んでの騒動になったことでした。
財布は盗まれておらず、冷蔵庫から出てきました。以前から家族ぐるみで親しくしていた近所のAさんからの連絡で、実家に急いで帰った男性。AさんやAさんの息子さんから、「あなたのお母さん、最近様子がおかしい。病院で診てもらった方がいいかもしれない」と言われました。
「◎◎◎を盗られた」という訴えはしばらく前からちょくちょくあり、Aさんが一緒にモノ捜しをしたこともあった、と。「盗られた」と訴えるモノはたいてい家の中で見つかり、しかしAさんが「置いた場所を忘れてただけじゃない?」と言っても、「絶対に違う」と主張する。その様子が、Aさんいわく「すごく険しい表情で、人が変わったよう……」。
第一人者が教える 認知症のすべて