九州北部~東海の各地で梅雨入りが発表され、関東甲信も間もなくでしょう。今回はジメジメした季節に発生しやすいカビ(真菌)による感染症についてお話しします。
ヒトに感染症を引き起こす真菌としては、アスペルギルスやカンジダなどが知られています。アスペルギルスは広く自然界に存在していて、特に暖かく湿った環境でよく成長し、土壌、植物、堆積物、家屋内などに見られます。アスペルギルスの仲間には、われわれ日本人になじみの深いコウジカビも含まれています。コウジカビはコウジとして味噌や醤油、日本酒を造るために用いられてきたことからこの名が付いています。
アスペルギルスによる感染症は「アスペルギルス症」と呼ばれ、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症や侵襲性アスペルギルス症などが有名です。前者では、せきや喘鳴(ぜいめい)などアスペルギルスによるアレルギー性の呼吸器症状が見られます。
感染症別 正しいクスリの使い方