上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

救急搬送された患者への処置は大きく3つのパターンがある

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 前回、前々回と、救急救命医療に欠かせない「救急隊」についてお話ししてきました。彼らに活躍してもらうには医療機関側の受け入れ体制が重要になります。救急隊が搬送してくれた患者さんを迅速に応需し、少しでも早く救急車を再び次の現場に回す必要があるのです。

 もちろん、搬送された患者さんを救うことは医療機関側の使命です。今回は救急搬送された患者さんにどのような処置を行っているのかをお話しします。

 心臓に異変が起こって救急搬送された患者さんは大きく3パターンに分類されます。①心肺蘇生が必要な状態②ショック状態③バイタル=血圧が保たれている状態、です。そして、それぞれに応じた対処はだいたい決まっています。

 まず、①心肺蘇生が必要なレベルであれば、心臓マッサージを行い、心室が震えて全身に血液を送り出せなくなる心室細動が起こったらAED(自動体外式除細動器)で電気ショックを与え、自己脈が出るかどうかを確認します。自己脈が戻ったら、そのパターンから急性心筋梗塞なのかどうかを判定し、蘇生している間に超音波=エコーなど現場でできる心臓の検査を行います。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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