上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

救急搬送された患者への処置は大きく3つのパターンがある

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 とはいえ、救急医療ではどうしても患者さんの死亡率は通常よりも高くなります。心肺蘇生が必要なレベルでは30~50%くらいまでアップしてしまうものです。

 ただ、搬送された患者さんが亡くなる場合、心臓単体のトラブルが原因になることはそれほど多くはありません。急性腎不全が合併しているとか、うっ血がひどくて消化管出血があるといったように、心臓のトラブルに加えて何らかの合併症が起こり致命的な状態になってしまうケースがほとんどです。

 ですから、定期的に人間ドックや健康診断を受けて、自分にどんな生活習慣病や持病があるかを自分なり家族なりが把握しておくことが、万が一のときに命を守る大きな鍵になります。救急搬送された際、生活習慣病や持病の状態、さらにはお薬手帳があればそれを救急隊に伝えることで、医療機関側が適切な処置を選択しやすくなり、助かる確率をアップさせることができるのです。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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