「不登校」「ひきこもり」を考える

過度の「リスク管理」は子どもの自立の妨げになる

写真はイメージ

 赤ん坊が何度もコテンコテンと転ぶ姿を、「愛情」が故に危なくて見ていられないと歩くことを許さなかった結果、いつまでも歩き方がわからないまま転ぶ怖さを恐れてついには自ら歩くことさえできないまま大人になった……。極端だと言われるかもしれませんが、私には起きていることの本質は、ひきこもりとまったく一緒だと思えてなりません。

 そして、今、大人になっても歩けないままのわが子が必要とする介助を「甘やかし過ぎ」と揶揄する態度までも。この「愛情」は真の愛情だったのでしょうか? それとも親のエゴだったのでしょうか? もちろん本当に危ない行為もありますから、リスク管理は不可欠です。一方で、過度のリスク管理は自立を阻みます。この境は、お子さんの性格や特性、発達といった個人差があるため非常にわかりにくい。でもお子さんのそれに合っていなければ、過度の安全マージンによって健全な自立が阻害されることは事実で、そして心の成長においても同じことが言えるのです。

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最上悠

最上悠

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

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