「不登校」「ひきこもり」を考える

「二次反応」という名の消えないノイズで頭が効率的に回らない

(C)takasuu/iStock

 かなり以前、某雑誌の「なぜ人は自死に及んではいけないのか?」という特集で、何十人もの権威ある有識者がそれぞれに自説を載せていました。ただ、その大半がどれも「生きることの正しさ」「自死の罪深さ」といった頭でっかちで小難しい説教くさいものばかりで、自死を思い悩む方々の心に到底寄り添っているとは思えず、愕然としたことがありました。逆に高尚な有識者なんかよりも、草の根で電話相談などで思い悩む方の気持ちをひたすら傾聴・共感されて寄り添われている方々の方が、よっぽど本質的で救いになると思ったりもしたものです。

 これらの反応も、ひきこもりや不登校に限らず、すべて一次感情不全に端を発した回避的な二次感情を含む、二次的な思考や行動、身体反応といった「二次的反応」の行き着く先として説明されます。

 また、二次的反応という消えないノイズが膨らみ過ぎると、ワーキングメモリと呼ばれる限りある知的作業に重要な脳機能においても、その無駄に膨れ上がったノイズの情報処理に脳は労力を奪われ、キャパオーバーに陥ります。そうなると、必要なことに注力できないという優先順位の狂いが生じ、集中力が落ちて余計なことばかり考えて頭が効率的に回りません。その状態が続くと非常に疲弊もするため、ここぞという時に踏ん張りも効かなくなります。

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最上悠

最上悠

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

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