老親・家族 在宅での看取り方

「広い海で舟に乗っているよう」と妻に言い残し92歳男性は旅立った

「広い海で船に乗っているよう」(C)iStock

「死因は敗血症性ショックで、その原因としてはご持病の骨髄異形成症候群が濃厚かと思います」(私)

 ついのすみかと決めた住宅型老人ホームに奥さまと入居されている92歳の男性の方。前日に容体が悪化したとのことで、当院も往診に伺っていましたが、その時も敗血症性ショックが疑われ、ご家族にもう長くないことをお伝えしていた直後でした。

 ここでいうショックとは、血圧が低下するなどし体中の血流の循環が突然悪くなり、臓器などに必要な酸素が十分に届かなくなることで生じるさまざまな状態を指します。

 そして敗血症は血液中に菌がいる状態となり全身に炎症が起きていること。さらに重症になり血圧も上がらない状態を敗血症性ショックと呼んでいます。

 またその原因と思われる骨髄異形成症候群は比較的に高齢者の方に多い疾患で、血液のもとになる細胞(造血幹細胞)のDNAに傷がつき、血液が作れなくなります。赤血球や血小板、白血球が減少するもので、急性骨髄性白血病も発症しやすくなります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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