名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

医療数字のカラクリ

  • 鳴り物入りで発売された糖尿病新薬の効果と害

    鳴り物入りで発売された糖尿病新薬の効果と害

     この連載の最初に少し紹介したのですが、DPP4阻害薬よりさらに新しい糖尿病の薬に、SGLT2阻害薬という薬があります。  この薬は体の中に余分に取り込んだ糖分を尿に捨...
  • 遺産効果の実態 80歳までは変わらない

    遺産効果の実態 80歳までは変わらない

     前回はUKPDS80(英国前向き糖尿病研究80)という論文の結果を紹介しました。新規の糖尿病患者では、最初15年の厳しい治療がその後も“遺産効果”として継続し、25年後に...
  • 初期の糖尿病は厳しい治療が重要

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     糖尿病の厳しい治療に大きな効果は期待できないということを、繰り返し書いてきました。  しかし、それはすでに長く糖尿病の治療を続けている患者の話で、「新しく糖尿病と言わ...
  • メタ分析が語る薬による血糖抑制のホントの効果

    メタ分析が語る薬による血糖抑制のホントの効果

     これまで多くの研究結果を示してきましたが、これらの研究はメタ分析という方法で一つにまとめられています。薬による集中的な血糖コントロールの効果についても、2011年に網羅...
  • 安くて効果が優れている薬が普及しないワケ

    安くて効果が優れている薬が普及しないワケ

     先月初めに薬品メーカーから多額の講演料をもらっている医師のリストが公表されました。2013年度のデータでは、1000万円を超える額を受け取っていた医師は184人で、最高...
  • インスリンはがんを増やす!?

    インスリンはがんを増やす!?

     糖尿病患者でがんが多いという事実は、糖尿病そのものによるものと、糖尿病で使われる薬によるものの両方の可能性があります。今回は、薬の種類によって糖尿病とがんの関係がどう異...
  • 4つのがんでリスクあり

    4つのがんでリスクあり

     糖尿病の患者さんで、心筋梗塞や脳卒中などの血管が詰まる合併症が多いことは広く知られています。しかしそれだけでなく、糖尿病はがんとも関連している事実が従来から繰り返し話題...
  • HbA1cの値と死亡率との意外な関係

    HbA1cの値と死亡率との意外な関係

     これまでお話ししたように、糖尿病治療による寿命の延長ははっきりとは示されていません。このことは1~2カ月の血糖値の平均値を表すHbA1cと死亡の関係を検討した研究を見て...
  • 糖尿病の薬で寿命が延びないワケ

    糖尿病の薬で寿命が延びないワケ

    薬で厳しく糖尿病治療をしても寿命を延ばす効果がない、あるいは寿命を短くするかもしれないことが、多くの研究で示されています。なぜそんなことになるのでしょう。  ひとつは...

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