ピリピリや灼熱感…「足の違和感」で眠れない人の“特効薬”

 当時の検査値は直近1~2カ月の血糖の状態を示すヘモグロビン(Hb)A1cが7.6%(当時の正常値は5.8~4.3)、空腹時血糖値は160mg/dl(正常値は110未満)だった。
 治療により、HbA1cが6.6%まで下がったものの、足底の灼熱感はやまず、それが原因で夜寝られなくなった。

「工藤さんは足底の灼熱感以外に足全体のピリピリ感やむずがゆさがありました。その後、夜中に突然こむら返りを起こして、跳び起きることが何回も続いたのです」

 辛院長は神経障害に効く薬や帯状疱疹による神経痛を抑える薬などを試したが、大きな改善は見られなかった。

 そこに登場したのがサインバルタ(一般名ディロキセチン)。もとは憂うつな気分を和らげ、意欲を高める薬でうつ病やうつ状態の治療に使われていたが、昨年から糖尿病性神経障害の薬として承認されている。

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