コンドームなしのセックスは決して勧められないが、たとえ「なし」でしても、薬を服用していればパートナーへの感染はほとんどない。
「薬の服用で母子感染も1%以下に抑えられるようになりましたし、アメリカやイギリスではこの10年、医療者の針刺し事故によるエイズウイルス感染の報告はゼロです」
一生薬を飲み続けなければならないので正確には「治る」わけではないが、感覚的には「治る」とほとんど同じなのだ。
「ただし、これは発症前に治療を受けた場合。エイズを発症すると、悪性リンパ腫や脳内の疾患、肺炎などさまざまな病気のリスクが高くなります。発症前なら治療はエイズウイルスの増殖抑制に集中できますが、発症後はエイズ発症で二次的に発症したそれらの疾患の治療も必要になります」
■治療しなければ100%発症
悪性リンパ腫や脳内の疾患なら死に至ることもある。セックスパートナーに感染させる可能性も、もちろん高い。それが「天国と地獄ほどの差」といわれる理由なのだ。