“若返り生活”ができそうなら問題ない。「今の食生活を変えられそうにない」という人には、和洋女子大学の三浦俊彦教授のような生き方もある。
「18歳からサプリメントを飲み始め、54歳の今は1日八十数種類280錠飲んでいます。睡眠時間も不規則で運動もしませんが、この10年間で寝込んだのは風邪の1日だけ。体調はいいですよ」
“無類のサプリ好き”として有名な三浦教授はかなりの偏食。家での主食はポテトチップスやカップラーメン、レトルトご飯。外では寿司や焼き肉など。大量のサプリで栄養不足の帳尻を合わせている。
「偏食のせいで、年1回の健康診断では“要注意”のオンパレード。サプリを飲んでなければ、とっくに体を壊していたと思います。厚労省は1日約30品目以上の栄養素摂取を推奨していますが、私はそれを上回る100品目以上取っている。健康的だと思いますよ」
三浦教授に言わせれば、サプリを取らず、好き嫌いの激しい若者の方がよほど不健康。確かに、食べているのに必要な栄養素が足りない「新型栄養失調」が今の日本では蔓延(まんえん)している。複数種類の栄養素を毎日満遍なく取るのではなく、炭水化物など安い食材でお腹を満たしているからだ。
「私はコレステロールが高ければ、それを下げるサプリを取ります。必要な栄養素を体により効率的に吸収するための工夫が施されているのがサプリです。食べ物では、ノロウイルスなどの感染症のリスクもありますし、余計な栄養を取ることにもなります」
では、正しいサプリメントの使い方は?
「それぞれのサプリに含まれる栄養素の量を計算し、1日の必要量をきちんと取るようにすべき。それには栄養表示を確認する必要があります」
ちなみに、30年以上のサプリ生活の中で三浦教授が“これはいい”とダイレクトに感じたのは、ビタミンC、メラトニン(睡眠不足解消)など。
ことサプリメントに関しては「有効成分はわずか。多くは添加物」「科学的根拠がない」といった記述もよく目にする。しかし、大切なのは自分の食生活を冷静に分析し、必要な栄養素が不足しないようにすること。バランスのよい食事を取りたくても難しい環境にいるのなら、やみくもにサプリを批判するより、うまく活用した方がいい。