魚ばかりはかえって危ない…「粗食」が高齢者の命を縮める

■量が少ない人は1日4食

 量を食べられないからといって、1日1食しか取らないのもよくない。

「年をとっても、しっかり1日3食は食べることが大切です。高齢者の場合、胃腸の働きが弱っているケースも多いので、一度に多くの食事ができない人もいます。そういう人は1回の食事量を減らし、1日4食取るようにしてください」(加藤氏)

 高齢になると、ペプシンやトリプシンといったタンパク質を消化する酵素が減っていく。一度に大量のタンパク質を摂取しても吸収しづらくなるから、毎日小まめに摂取するのが理想的なのだ。 ゴハンやパンの主食を避け、おかずだけしか食べない人も要注意。

 タンパク質をつくる必須アミノ酸の配合バランスを点数化した〈アミノ酸スコア〉という指数がある。米や小麦はアミノ酸スコアが低い食品だが、肉や魚といったおかずと一緒に摂取すると、お互いの足りない部分を補い、アミノ酸=タンパク質の質を高めることができるという。

 年をとってからは食事量を減らし、一汁一菜の粗食にするのが長生きの秘訣だと思われているが、大きな間違い。さっぱりした和食だけでなく、洋食も中華もどんどん食べたほうがいい。

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