肉、卵、チーズで長寿…目からウロコ「沖縄式健康法」とは?

ご飯抜きでもこれだけで…/(C)日刊ゲンダイ
ご飯抜きでもこれだけで…/(C)日刊ゲンダイ

 メタボが気になるサラリーマンにとって、脂身たっぷりの肉料理などもってのほか――。そう思っていたら、長寿のためには「どんどん肉を食べた方がいい」と主張する医師が沖縄にいた。沖縄県民の平均寿命が下がったのは肉と脂を減らした和食化が原因ときっぱり。直撃して話を聞いた――。

「沖縄は長寿県のイメージですが、最新のデータでは男性が全国30位、女性が3位と順位を下げています。一般には食事の欧米化が原因といわれていますが、本土復帰前後の時期の方がカロリーや脂肪の摂取量が多く、それ以降摂取量は減少し続けました。最近ではカロリー、脂肪とも全国平均を下回っています。私は、むしろ食の和食化が沖縄県民の寿命を縮めていると考えています」

 こう言うのは沖縄県那覇市の「こくらクリニック」渡辺信幸院長だ。

 これまで10年余り離島の医師として奮闘。厳しい環境の中、「治療より予防が大事」と考えるように。住民の肥満解消のため、運動と食事制限を指導したが長続きしない。最小限の食材で必須栄養素を全て取れる食べ物はないものか――。

「人間の生命維持に欠かせない4大栄養素はタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル。これらは体内で合成できないため、食事で補わなければいけません。それらをバランスよく含んでいるのが肉(Meat)・卵(Egg)・チーズ(Cheese)なんです。私はそれらの英語の頭文字を取り、MEC食と呼んで指導しています。

 一方、お米や野菜、果物に含まれる糖質・食物繊維は、必須栄養素ではありません。糖質は体内で合成できるので食べる量を減らしても何ら問題ない。それどころか、食べ過ぎは肥満や糖尿病の原因になります。食物繊維は、基本的に人間は消化できません。むしろ便秘の原因になるといわれているくらいです。

 しかし、本土の日本人は昔からこっちの方を主食にしてきました。それは、仏教や政治などの影響で肉食がタブーだったからです。そのため栄養が足りず、先進国の中で最も寿命が短かったのです。戦後しばらくして、ようやく平均寿命が欧米諸国や伝統的に肉食文化があった沖縄に追いついたのは、肉や卵、チーズを積極的に取るようになったからなんです」

■余分な脂肪は吸収されない

 気になるのはカロリー。動物性脂肪は、ダイエットの天敵のはずでは?

「食べ過ぎたら下痢になって体外に排出されるだけ。体が必要以上に吸収することはありません。体の脂肪のもとはあくまでも糖質です。コレステロールも、摂取量によって合成量が調整されるので、肉や卵を食べたからといって血中コレステロール値が上がるというのは間違い。その証拠にコレステロール値を下げる薬を飲んでいる人が肉や卵を減らしても、数値が下がった例を私はほとんど見ません」

 欧米でも、太っているのは高価な肉を買えない貧困層。安いポテトフライ(炭水化物)とコーラ(糖質)が肥満の原因と渡辺医師は説く。

■ひと口30回以上噛む

 具体的な食べ方は、こうだ。

「基本はご飯を抜いて、肉を主食にします。そしてひと口30回以上噛むこと。サラリーマンにオススメはコンビニ食です。レジ脇の空揚げやフランクフルトなどは手軽だし安上がり。油も気にしなくて結構です。ランチはご飯の前におかずから食べましょう。ゆっくり30回以上噛むと満腹感を感じて、ご飯までたどり着きません。おかずは、とんかつでも肉野菜炒めでも何でもどうぞ。夕食はシンプルに肉を塩コショウでソテー。そこにとろけるチーズをのせれば完璧ですね。肉を主食にすれば、おのずと味付けが薄くなり、塩分抑制に役立ちます。牛・豚・鶏なんでもOKです」

 1日の目安は、肉200グラム、卵3個、チーズ120グラムが最低限必要だという。これでカロリーは1300キロカロリーほど。仮に食べ過ぎても脂は体外に排出され、太る原因となる糖質はほとんど含まれていない点がミソ。試す価値はありそうだ。

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